藤田家住宅は、建築年代や様式の異なる東棟と西棟からなり、伝統的な町家の構えをみせる東棟に対し、西棟は織屋としてお客様を迎えるための離れとしての趣を窺うことができます。

洋間、数寄屋風座敷、書院風座敷と対照的でかつ洗練された意匠を並べ、さらに天窓を開いた吹き抜け空聞で接続させる大胆な空間構成は、昭和初期西陣の粋な趣味人の好みを窺い知ることができます。また、蒸し暑い京都の夏の暮らしの中で、夏を涼しく過ごす工夫、そこで客人をもてなすために、夏には座敷間の襖が外されて御簾が掛けられ、職人技を極めた質の良い籐網代が敷かれ、施主のこころ遣いを感じることができます。

1階

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2階

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